汚れていない皿 ミニマリスト・佐々木典士さん
汚れてもいない皿を洗おうとしない
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」佐々木典士(ミニマリスト)
*デール・カーネギー著「道は開ける」より引用
今頃になって、「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」(ワニブックス)を読んでみました。
“ミニマリスト” という言葉を知ったのは、かなり以前にNHKの朝のニュースの特集コーナーで、でした。
著者の佐々木典士さんの部屋だったと思うんですが、フローリングの部屋の壁際にノートパソコンだけがポツンとあるだけの光景・・・。
すっきりしすぎて、寂しく感じたものでした。
番組での説明も、“いま流行の” という感じで、そんなに詳しくは無かったような気がします。
その時、モノを捨てられない自分、それ以上に、あらゆるものに覆いかぶされているような(それは年月の積み重ねかもしれないけれど)重たさを背負っている自分を感じたものでしたね。 軽いショックはあったものの、生活をシンプルにできるのは若くて身軽だからだよね、と言い聞かせて、現在まで来てしまいました。
ハードルを軽く越えられることに、うらやましさとやっかむ気持ちを感じながら、ですが・・・。
こだわったまま、こんな記事を書いてしまったこともあります。
言葉の味、話の味~断捨離&ミニマリスト批判? リリー・フランキーさん「あさイチ」 2016.10.30.
今回、本を読んでみたら、共感できることが多かったですね。
あの番組の時間内ではとうてい知ることができなかった内容が盛りだくさんでした。
まずは、本人がモノに囲まれた生活をしていたことから語られています。
モノが大好きでどんなモノにも思い入れを感じて捨てられない、だけど片付けられない、なのに欲しいものは買ってしまう。
モノに溢れた部屋で、毎日の暮らしまでもが圧迫され、精神までも疲れ切っていました。
ミニマリストといっても、人によって違い、本人は “汚部屋からの反動ミニマリスト” と自称しています。
読んでいて一番気持ちがよかったのは、ミニマリストではない人(一般的ですが)を批判したりしていなかったこと、自身の経験もあって理解ができていることでしたね。
モノが少ない対決をしない、持っている人を責めない、と・・・。
汚部屋の住人からミニマリストになった経緯の後には、55+15の捨てる方法が書かれています。
共感ができ、納得させられる提言が綴られていますね。
ひとつひとつ問いかけられている気分がします。
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この本が印象的なのは、捨てた後の自身の変化や感動についてかなりページを割いていることです。
得られるものの多さ、特に “自由” 、そして “幸せを感じる” “感謝” “時間の豊かさ” などなど。
ここまで、先にあげた言葉と関係の無さそうなことを延々と書いてしまいました。
モノを捨て、変わったことのひとつに、“今、ここを味わえる” として・・・
“今日1日で洗わなければいけない皿は1日分だけ。明日の皿を洗うことや明後日の皿、1年分の洗うべき皿を洗うことまで考え始めると、誰でも嫌になり不安になり、今日の皿洗いすらおぼつかなくなってしまう。将来の失業、結婚、子どもを持つこと、年を取り病気になること、孤独死、これは未来の汚れてもいない皿のことだった。”(本文より引用)
ここまで来ると、禅僧のように感じましたね。
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今日という一日を、思い残すことなく生きる。
生かされていることに感謝をすること。明日の不安に思いを寄せるのではなく、今日の自分をしっかりと見据えること。
枡野俊明(曹洞宗住職)
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