【闘病日記 24】ショーン・コネリーさん逝く
「B細胞性前リンパ球性白血病」と知ってから、自分に言い聞かせている言葉があります。
“受け入れて、乗り越える”
同じ病気でこの記事を読んでくださる方がいるとしたら、一緒に乗り越えていけたら、と願っています。
俳優のショーン・コネリーさんが亡くなりました。
歳を重ねてから魅力を増していただけに、90歳と知って驚きました。
認知症だった、という余計な言わずもがなのニュースが流れましたが、穏やかな最期らしかったのでホッとしています。
いつもなら、亡くなった有名人の作品などを観たり聴いたりすることを避けてしまうところですが、なぜか彼の作品は観たくなりました。
図書館では007シリーズしか無くて、「ロシアより愛をこめて」(VHS!)を借りました。
アマゾンには「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」を注文しました。
楽しい作品を観たいですからね。
007シリーズをリアルタイムで観ていました。
そういう世代です。(笑)
当時、作品として楽しみましたが、彼に特に関心を持ったとは言えませんでした。
適役過ぎたせいでしょうね、007を降りても、長い間低迷していたようです。
それが、歳を重ねて、髪の毛が薄くなるというマイナスイメージをも、逆に魅力的に感じさせるようになりましたね。
人間としての大きさ、時には人間臭さを感じさせて、演じる役が多くなりました。
何より、演じることが楽しそうで、その余裕がこちらにも伝わってきたものです。
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「薔薇の名前」(1986年)を経て、「アンタッチャブル」(1987年)からですね、魅かれたのは・・・。
アメリカの禁酒法時代、青年捜査官・ネス(ケビン・コスナー)を助け、成長させていく老警官の役でした。
作品自体とても豪華で、特に彼が初めて登場するシーンでは、歌舞伎で言えば大向こうから声がかかりそうなほどに存在感がありましたね。
その言動が何とも粋で、一言一言に人生の重みを感じさせました。
印象的なセリフがたくさんあります。
“毎日生きて家に帰ること。警官の心得第1条”
“試合は最後まで戦うことだ”
カナダでの銃撃戦で、緊張するネスに “いつかは死ぬんだ!” と青空をバックに笑いながら馬を走らせるコネリーは格好良かったですね。
「ファミリービジネス」(1989年)は、ダスティン・ホフマンとの共演。
泥棒一家の祖父(コネリー)と堅気の息子(ホフマン)役で、何とも贅沢に楽しませてもらいました。
自由に生きて老いを迎えた彼が、息子や孫を巻き込んでする大勝負。
失敗して彼は入院。
“人間、配られたカードで勝負するのさ”
なぜか、ずっと印象に残り続けている言葉です。
「小説家を見つけたら」(2000年)は、東日本大震災の後、日々何とも不安定な気持ちでいた頃に観ました。
一作だけを残して消えた小説家(コネリー)と、隠れた文学の才能があった黒人の高校生との交流を描いています。
才能を開花させていく若者と、教え導くことで自身を解放して、新たに旅立つ小説家。
柔らかな白い髪とひげが良い歳の重ね方を見せ、静かだけれど自信に溢れた話し方と物腰、それでいて40年も引きこもってしまったピュアな心情、とピッタリの役で魅力的でした。
3作品、ともに最後は亡くなってしまう役です。
せめて、まもなく届く「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」を楽しみたいと思っています。
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