【闘病日記 31】朝顔の一句から
「B細胞性前リンパ球性白血病」と知ってから、自分に言い聞かせている言葉があります。
“受け入れて、乗り越える”
同じ病気でこの記事を読んでくださる方がいるとしたら、一緒に乗り越えていけたら、と願っています。
朝顔の紺のかなたの月日かな
石田波郷(俳人)
細谷亮太さんの著書「生きるために、一句」(講談社)で紹介されている句です。
細谷さんは小児がんの専門医で、俳人(俳号・細谷喨々)でもあります。
この句に出会い、朝顔と自分の関わり合いを改めて思い返してみました。
2017年6月 病名を告げられて入院。7月 退院。
通院にて2回目以降の抗がん剤治療。
治療中に腰痛(腰椎圧迫骨折)発症。
抗がん剤治療の副作用はほとんど無かったのに、腰痛は寝ても起きても辛い状況でした。
猫の額ほどの荒れた庭に朝顔が咲いていて、それをぼんやり眺めながら足の屈伸運動をしたものです。
朝顔は、前年にこぼれた種から自然に咲いたものでした。
2018年10月 再発。
外来にて飲み薬での治療を選択。
食事ができないほどの口内炎などの副作用に悩まされながらも、朝顔に癒されていました。
2019年9月 再入院。11月初め 退院。
外来での治療の効果も見られず、結局再入院しました。
退院は11月にも関わらず、朝顔が咲いていました。
2020年 経過観察中。
手入れをしなくなって数年、荒れ放題の庭に、変わらずに朝顔が咲いてくれました。
伸び放題のラベンダーの枝や雑草に支えられながら・・・。
種もかなりこぼれ落ちたので、今年も変わらずに咲いてくれることを願っています。
この種には由来があります。
かなり以前、街中で手に入れたものでした。
白血病で子供を亡くした親御さんの、その子が育てた朝顔の種を広めて “いのち”をつなげていこうという思いのこもったものでした。
種が採れて余ったら送ってほしいとのメッセージ付きで・・・。
私も3度くらいは送った記憶があります。
その当時は、種を巻き、水やりをし、ツルを這わせるための網なども設置したり、と珍しくまめに作業をしたものです。
少しは役に立ちたくて・・・。
それが、今は私の方がただただ癒され、慰められています。
一句によって、久しぶりに今に続くこの数年のことを思い出しました。
<関連記事>
“いのちのあさがお”が咲いています。 2012.8.21.
【闘病日記 13】朝顔と姫神と 2019.8.25.
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