【闘病日記 47】朝ドラ「おかえりモネ」が終わって・・・
「B細胞性前リンパ球性白血病」と知ってから、自分に言い聞かせている言葉があります。
“受け入れて、乗り越える”
同じ病気でこの記事を読んでくださる方がいるとしたら、一緒に乗り越えていけたら、と願っています。
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朝ドラ「おかえりモネ」が終わりました。
地元が舞台ということとは別にしても、最後まで引き込まれて観続けてきたドラマでした。
東日本大震災の被災地育ちのヒロインが気象予報士になるという話。
最初は、重いのか軽いのか、どちらにしても現代を舞台にした朝ドラとしては内容が予想できそうで、「おちょやん」の後では正直期待できなかったですね。
案の定、しばらくはそんな感じがぬぐえなかったんですが・・・。
いつの頃からか、登場人物一人一人の想いが深く掘り下げられ始めてからは、まるで正座する気分で観続けるようになりましたね。
こちらの方言なのに、字幕にして、セリフを聞き逃さないようにしたりして・・・。
方言については、担当の方がローカルニュースの中で話をしていました。
そのままでは真剣なシーンにそぐわないこともあって、標準語との中間をとったのだとか・・・。
そう言えば、聞きやすい感じがしましたね。
今にして思えば、ヒロイン・モネ(清原果耶)の成長物語を軸にしながらも、彼女は狂言回し的な存在に思えてきました。
登場する人物の一人一人を細やかに丁寧に描き出していました。
ほんのちょっと登場した、気仙沼にボランティアに来て挫折しかけた若い女性までをも・・・。
モネを中心にした若者世代、その両親世代(内野聖陽、鈴木京香、浅野忠信)、そしてサヤカ(夏木マリ)や龍己(藤竜也)の世代。
それぞれが大切に描かれていましたね。
そして、震災と関係なくヒロインとかかわった人々をも・・・。
終わって思うのは、内田予報士(清水尋也)が言った “何もない人なんていない” という言葉に尽きるドラマだった気がします。
視聴率が下がって悩む神野(今田美桜)が、自分は順調な人生を歩んできて、モネのように辛い思いをしていないから、と語った時でしたね。
悩んだり、迷ったり、傷ついたり、辛い思いをしてこなかった人間なんていないですよね。
さすがにあと2話を残してのみーちゃん(蒔田彩珠)の告白には驚かされました。
そして、モネの “みーちゃんは悪くない、と言い続ける” というシーンには胸を突かれました。
清原さんの表情がまるで菩薩のように見えたものです。
始まった頃の、前のめりでの “誰かの役に立ちたい” から、その成長を演じ続けてきた清原さんの女優としての凄さを感じました。
みーちゃんの告白から思い出していることがあります。
あの当時、私の家は足の踏み場が無いくらいに物が倒れてしまったくらいの被害でした。
片付けを終われば、スーパーやコンビニの行列に並んで、知らない人とおしゃべりをするか、余震に怯えながら、暗澹たる思いでテレビの映像を観続けることだけでした。
決して忘れることのない映像と話があります。
あの寒い中、外で、亡くなった人たちの衣服を丁寧に洗い続ける高齢の女性の後ろ姿。
津波がひいた後に、眠るように祈るように座って亡くなっていた、という女子学生のこと。
そして、知的障害のある孫娘を助けるために、車の外にいる奥さんを見捨てることになってしまった男性。
奥さんは早く車を出すように、と叫んでいたという。
その父親に感謝と許せない想いとを持って、同じ仮設住宅で暮らせなかった娘さん。
ただ、流された家の土台の撤去の際に、3人は並んでその工事を見つめていました。
あの時、どれだけたくさんの人たちがどれだけの想いをしただろう、と思えば、いまだに平静ではいられません。
震災に限らず、その後の災害や事故に対してもですが・・・。
それにしても、素晴らしい俳優さんが集まって、とても印象に残る素敵なドラマでした。
みんなに明るい未来が描かれていたことに、コロナの今だからということもあって、救われる思いがしました。
何だろう、最後の方で、鈴木京香さんの笑顔に、個人的に一番持って行かれたような気がするんですが・・・。(笑)
若者たちを優しく見守る目が限りなく!垂れ目だったんですよね。あの美人女優が!という感じです。
何より、脚本(安達奈緒子)が素晴らしかったですね。
どれだけ取材を重ねたのでしょうか。
一人一人の想いを決して軽く流したりはしない姿勢がありましたね。
菅波(坂口健太郎)がモネに言う “あなたの苦しみや痛みはわからないけれども、わかりたいと思う” という言葉は、安達さん自身の声に感じました。
印象的なシーンやセリフが本当にたくさんあります。
ぜひシナリオ本を出してほしいですね。
せめて、ノベライズ本だけでも・・・。
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